ブレーキ部品の取り扱い方法
ゴムカップの交換方法
A図
B図
A図は間違ったゴムカップの交換をしようとしています。
ドライバー等を用いピストンにゴムカップを「組み付け」または「取り外し」を行うと、ピストンに傷をつけてしまったり、ゴムカップそのものに傷を付けてしまい、液圧が発生しない等の重大な不具合につながりかねません。
B図は正しくカップロケットを使用し、交換しようとしています。これだと、ゴムカップやピストンを傷つけることなく安心です。
カップの材質は、ABS・ECSの普及などによるブレーキ液圧の高圧化、耐熱要求が強くなってきたという背景により、従来のSBR材からEPDM材になりつつあります。その結果として、材質硬度が硬くなってまいりました。
カップのセット方法
カップ組付け前にピストンと共にブレーキ液に浸し、カップロケットをピストンにあてがい、上からカップを押し込む事により簡単に組付けができます。
カップロケットの組み付け時は、メタルラバー、シリコングリス等で充分に湿潤させて下さい。
予めカップを組み込んだ「ピストンキット」もご用意しております。
ブレーキフルード(ブレーキ液)は
正しいものを入れましょう
ブレーキフルード(ブレーキ液)は植物油です。
間違ってエンジンオイル等の鉱物油を入れてしまうと、カップ等のゴム部品は「膨潤」といってゴム材質が変質してしまい、ブレーキが全く効かないとといった不具合に直結してしまいます。
写真はゴム材質のディスクブレーキピンブーツを用いて、膨潤させた実験例です、左側の物はエンジンオイルで膨潤させたもの、右側は正規品です。
明らかに違いが分り、こんなことをしてしまったら極めて危険です。
左:膨潤したもの 右:正規品